みなさん、こんにちは。
人にとっては無駄遣い、僕にとっては宝物。
物欲メーター振り切れっぱなしのtanamaruです。
突然ですが、皆さんには
「どうしても欲しい!」
そう思うモノってありませんか。
なに?
お前は欲しいものだらけじゃないかって?
はい、正解。そうですよ。
僕は物欲が服着て歩ているようなもんですからね。
でも、皆さんにもあるでしょう?
性能が良いからでもない。
コストパフォーマンスが高いからでもない。
理由なんて、自分でもよく分からない。
それでも、なぜか心の中に居座り続けるモノがあります。
僕にとって、それがROLEXのエクスプローラーⅠ(当時の名称)なんです。
※2026年現在は「エクスプローラー36」ですね。
この時計には20年以上、物欲メーターを振り切られ続けています。
でも、その理由は・・・
ロレックスというブランドでも
369ダイヤルとうデザインでも
探検家の歴史でも
ありません。
すべての始まりは、学生時代の一人の友人でした。
※本記事に登場する人物名はすべて仮名です。
不思議な同級生
今回の話のキーマンです。
ヤツを語らずして、今回の話は成立しません。
すべての原因はヤツです。
僕のせいじゃないんです。
なんか変な1年生
僕が専門学校に入学したときの話。
入学初日って、少し緊張するじゃないですか。
初めて会う人ばかりですし、誰がどんな人なのかも分かりません。
こういうのって、最初が肝心だと思ってる古い人間です。
当然、僕も少し早めに教室へ行きました。
えぇ。そうなんです。意外とマジメなんですよ、ワタクシ。
同じように考えた人が多かったのか、教室にはすでに何人も集まっていました。
でも、僕の前の席だけは、いつまで経っても空席。
「まだ来ないのかな。」
「そろそろ来ないとマズくない?」
「初日から欠席かな?」
そう思っていた矢先、教室のドアが開いて、一人の学生が入ってきました。
それがヤツ、竹内でした。
当時のシステムを少し説明しておきましょう。
当時は、留年すると学籍番号が振り直される仕組みでした。
そのため、新入生の学籍番号の途中に、留年生が入るなんてことがあったんです。
ヤツは一年生をやり直していたので、学籍番号は僕の一つ前ということに。
こうして僕と竹内は、初日から前後の席という関係になりました。
これが運の尽き。
その感覚も独自路線
ヤツはファッションの感覚も独特でした。
「鹿の子ポロシャツの襟を立てる」
こういう人はそれなりにいましたし、僕もやってみたことあります。
でも、ヤツはその一歩先へ行くんですよ。
しかも平然と。
「シャツの一番上のボタンだけ留めて、あとは全部開ける」
コレですよ。
ヤツのすごいところは。
想像つかないでしょ?
こんな感じです。

……いや、これはさすがに真似できませんでした(笑)。
でも、不思議なもので、今でもその着こなしをはっきり覚えています。
さらに不思議なことに、ヤツがやると別に普通に見えるんですよ。
見慣れてくると、むしろ、ちょっと良いんじゃない?とすら思えてくる。
たぶん、服装そのものではなく、
「自分が良いと思ったものを貫く」という感覚が、
ヤツらしかったんでしょうね・・・
そう言ったエピソードは枚挙に暇がありません。
2月末、ヤツから「数学を教えてくれ」と頼まれたんですよ。
なんでよ?
「数学落としてんだよ。明日再試だから教えてくれ」と。
そういうことね。
「いいよ。その代わり、ぜってー再試は落とすなよ!」と下宿先へ行きました。
学校のすぐ裏でしたね。
下宿先について、
「さっそくやんべ!」と。
ところが、これが全然始まらない訳ですよ。
竹内はずっとモンスターハンターをやっているんです。笑
「そろそろ勉強する?」
「いや、もうちょっと。」
またモンハン。
「そろそろやらないと、範囲終らないぞ?」
「いや、寝ないでやる。」
ここで、僕は帰れないことを悟り覚悟を決めましたね。
いや、寝れない覚悟じゃないですよ。
「よーし、漫画読もっ!」

そっちの覚悟かーい!

だって暇じゃんよ。
そして、数学を始めたのは……たしか明け方4時頃だったような気がします。
「いや、それなら最初から朝に呼んでくれよ(笑)。」
今でもそう思います。
普通なら、再試験の前日は少しでも勉強しようと焦るもの。
でもヤツは違う。
自分のペースを崩さない。
良いとか悪いとかではなく、「ヤツならあり得る」と思えるような人でした。
今思えば、僕はヤツの生き方に惹かれていたのかもしれません。
※ちなみにヤツは無事に数学の単位を取得できました。
ヤツの腕には黒い時計
ある日、ヤツの左腕に、それまで見たことのない黒い時計が巻かれていました。
これこそ、まさに衝撃の・・・
毎年春はこの並び
学生時代って、席替えがない限り、毎日同じ景色を見ることになります。
僕の場合、その景色の一つがヤツだった訳です。
なぜかって?
毎年春先は座席が学籍番号順になりますからね。
自然と縦並びになるんですよ。
髙橋
↓
竹内
↓
田中
↓
田村
みたいな。
※あくまでも仮名ですよ。仮名ね。
何といってもヤツは僕の前の席ですからね。
ノートを開く姿も、居眠りする姿も、嫌でも目に入ります。笑
もちろん時計もね。
ヤツはパチスロ好き
もうヤツの黒い時計が気になって仕方ない訳ですよ。
なんか今までの時計とは雰囲気が違うんだよな~。
なんか、輝きが普通じゃないというか、
遠目に見ても良いものだと伝わってきたんですよ。
ピンときたというか。
でも、さすがに
「それどこの時計?」
ってストレートには聞けなかった。
授業中も、ことあるごとにチラッ、チラッ。
「クソッ!どこの時計なんだ・・・」
そんなときに、チャンス到来。
さすがヤツですよ。
講義が終わっても、起きない。笑
そこで腕のポジションが良さそうなときに
一気にガン見して調査開始!
「R・・・O・・・L・・・E・・・X・・・」
ん?
「ROLEX」!?
ってあのロレックスか?
さすがにROLEXは存じておりましたよ。
超お高級時計ね。
ヤツをたたき起こして、
「コレどーしたの?」
って聞いてましたね。笑
寝ぼけ眼のヤツはこう言うんです。
「あぁ、パチスロで勝ったから、金があるうちに買った~」
いやいやいや、勝ったってどんな世界だよ!?

2000年初頭なら、中古のROLEXなら20万円台で買えたんですよ。
羨ましい時代ですね。
ヤツ=憧れ=エクワン=カッコいい!
あの日から、ROLEXが気になって仕方なくなりました。
でも、モデル名なんて知る由もありません。
まずはあのROLEXはなんてモデルなんだ?
はい。調べまくる訳ですよ。
僕の得意技ですから、お手のもんです。
スマホもない時代ですから、
脳裏に焼き付いた記憶を元に、
新宿界隈の時計店に凸っていきます。
ヨドバシカメラ、ビックカメラ、新宿BEST、LAOX時計館・・・
そして、判明。
「エクスプローラーⅠ」
雑誌で見かけても、
時計店で見かけても、
とにもかくにもエクスプローラーⅠ。
不思議ですよね。
でも、今になって思うんです。
僕はエクスプローラーⅠに憧れたのでしょうか。
それとも、
エクスプローラーⅠを着けていたヤツに憧れたのでしょうか。
正直、自分でも分かりません。
ただ一つだけ言えることがあります。
もし、あの日あの時計を着けていたのがヤツじゃなかったら。
僕はエクスプローラーⅠを、ここまで好きになっていなかった気がします。
ちなみに、ヤツは僕が憧れたエクスプローラーⅠを1カ月もしないうちに売り払い、
あっさりとシャネルのJ12に買い換えましたとさ。

LAOX時計館て・・・
時代感じるわね。

そこかよ!
20年経っても欲しいもんは欲しいんだよ
あれから20年以上が経ちました。
その間、僕もいろいろな時計を買いました。
IWC、Grand Seiko、The Citizen、MINASE、NOMOS…
とっかえひっかえ売り買いして、気付けば30本以上保有。
普通なら、どこかでエクスプローラーⅠの記憶なんて上書きされても不思議じゃありません。
なんなら、とっくにエクスプローラーⅠ買っていても不思議じゃない。
でも、上書きされなかったし、買ってない。
学生時代、ヤツの腕に巻かれていたあの一本だけは、ずっと僕の頭の片隅に残り続けました。
スペックなんてかんけーねーよ
エクスプローラーⅠについて調べると、
「探検家のために作られた時計」
「完成された369ダイヤル」
「シンプルが故に一生モノ」
そんな話が山ほど出てきます。
もちろん、それは全部本当なんでしょう。
でも、僕には関係ない。
だって、僕がエクスプローラーⅠを欲しい理由は、そこじゃないから。
そういったところに、正直興味ないんです。
あの日。
学生時代にヤツが腕に巻いていた。
ただ、それだけ。
それだけで、僕の物欲メーターは20年以上振り切れっぱなしなんです。
もうこんな感じ。

だから、スペックなんてかんけーねーよ。
精度がどうとか。
歴史がどうとか。
ムーブメントがどうとか。
そんなことより、
「欲しい。」
それだけで十分。
欲しい理由なんて、あとから探せばいい。
本当に欲しいものって、理由なんてなくても欲しいんですよ。
なに?
理由を探す理由?
そんなんもん、コレに尽きるでしょ。

買わなければならない理由を嫁に説明するため!
まとめ
20年以上、欲しいと思い続けた時計がありました。
でも、それはROLEXというブランドに憧れたからではないんです。
369ダイヤルに惹かれたからでもない。
探検家の歴史にロマンを感じたからでもない。
全部あと付け。
本当の始まりは、
学生時代、ヤツの腕に巻かれていた一本の黒い時計でした。
だから、この話はROLEXを買う話じゃない。
20年以上、頭の片隅に残り続けた記憶を回収する話なんです。

次回は「実際に正規店に行ってみた話」
・・・いやしかし、憧れって奥が深いですね~。

